第6章 緑生期
第3話 真っ黄き！
松田は戸建の戦いに燃えていた
カウンターと壁の間は70センチでいいか
入口のはこんな感じか
パンチがないな…
う～ん…
戸建感が抜けないな
…
！！！
天才じゃ！
松田は閃いた時によく言うセリフ
すぐに携帯を取り
「お疲れ様 ええこと思いついたですぐ来てくれ」
松田のすぐは大至急である
木下は嫌な予感がする
また変なことを言い出すのでは...汗
「黄色にしよう」
「何をですか」ヤバイぞ
「全部だよ」
「建物全部黄色にペンキで塗ろう」
「すぐにやってくれ」
「家主様に確認します」
「確認せんでええ」
「あのな確認すると断られるかもしれんだろ」
「やって怒られたら元に戻す」
「すぐにやってくれ」
「大丈夫ですかね」
松田は紙に殴り書きのイラストを描き
「これでいこう」
「大丈夫ですかね…」汗
「大丈夫じゃ 完璧じゃないか」
言い出したら何も聞く耳を持たない松田をよく知る木下は
「知りませんよ」
「まかせとけ」
上機嫌に家具の配置にもどった
松田は念を押すように大きな声で
「すぐやれよ」
「すぐやります」
数週間後
「社長 今日完成します」
木下が嬉しそうに報告する
「おっしゃ、すぐ行くぞ」
すぐさま車に駆け出す
木下は現場を確認済
「社長、めっちゃ目立ちますよ」
「かっこいいです」
「そりゃそうだろう天才が描いたからなガハハ」
画伯のようにと自信ありげに笑う 松田
「もう見えますよ」
カーブを抜けたところが新店舗である
「まさかあれか…」
「そうですよ」
松田に褒められるを待つ木下
「真っ黄きじゃないか！」大きな声をだす松田
「やりすぎだろ」
「社長が描かれたとおりです」少し笑み浮かべる木下
「まいっか目立つし、ようやった」
木下は松田に褒められ満足そうである
「よし君にこの店舗に任命しよう！！」
「３名のスタッフを配属する」
「そして全員新入社員だ」
「君ならできる」力深く
「この人は無茶苦茶だな」と心の中で呟く
「いっちょやったりましょうか」
何もわからない新卒ルーキー達との店舗運営の戦いが始まった
２００６年５月
こうしてどこからかでも確認できる黄色の戸建の新店舗が完成した
2019/12/11 15:45