【番外】快晴の中本
最終回 行動の先にあるもの
お客様の引越をあさってに控えていた中本。
引越し先付近の家を回りながら、
お客様の自転車を駐輪できないか一軒一軒お願いをして回っていた。
最後の家になり、出てきた初老の男性に事情を話し、
訪問先の玄関で自然と膝をつき頭を下げてお願いをしていた。
結果は。
ダメだった。
今日も、肩を下げて事務所に戻った。
いよいよ、明日に引越しを控えた。
もう後がない。
「やることやったんか?」
松田の声が頭の中で聞こえた。
中本は考えた。
考えた結果、昨日回った方々に、
もう一度お願いするしかない!!
ピンポン
「昨日来たものですが。。。」
断られる。
ピンポン
「あのー、昨日お伺いした中本です。」
ピンポン・・
ピンポン・・・
ピンポン・・・・
そこへ、昨日の一件を見ていたご主人が
中本に声をかける。
「あんた、なんでそんなに一生懸命やっとんじゃ。
毎日、毎日。」
「僕のお客様のためです。」
「・・・・・あんたみたいな人、今まで見たことない・・・・・
お金もいらん・・・・。あんたに貸しちゃる・・・
いつまででもいいよ。あんたにずっと貸しちゃる!」
「良かった。本当に良かった!!」
中本はお客様に駐輪が出来ることを報告した。
電話を切った後、松田が自分を突き放した理由が少しわかった。
最後まで責任を持って行動した結果、
お客様が会社だけではなく中本個人のファンになってくださった。
他責にせずに一生懸命に行動すれば誰かが見てくれている。
この一件で多くのことを学んだ中本は
日本一の営業マンになる夢に一歩を踏み出した。
・・・・・・ある会社のある会話・・・・・・
「日本で一番すごい営業って誰ですかね?」
「広島にある部屋店って会社の中本さんだよ!!」
・・・・・・・部屋店会議室・・・・・・・
「俺は、生涯一営業マンだ!
宇宙一を目指して俺に負けるな!」
今日も宇宙一を目指して走り続ける。
2014/05/09 15:56