【番外】快晴の中本
第5話 問題発生
創業期1年目の正月が明けた頃、中本はある問題にぶつかっていた。
持ち前の行動力でお客様に喜んでもらうことは得意なのだが
ひとつ弱点があった。
クレームにめっぽう弱いのだ。
何か問題が発生すると持ち前の行動力が影を潜め、何も出来なくなってしまうのだった。
苦情が発生すると松田はいつも中本に言う。
「自分の手に負えなくなったら言ってこい。」
すると、ものの数分で中本が事務所を駆け上がってくる。
中本「社長!無理です!」
松田「クレームは得意中の得意だ!任せとけ」
いつもの光景だ。
中本「さすがですね!社長」
思ったことをストレートに伝える中本。松田もまたほめられ上手だ。
松田「おう、まかしとけ!」
「違和感を感じる。」
松田は、お客様の迷惑になってはいけないという理由で、今まで自分で解決してきたが
これでは中本の為にならないと感じ 次からは中本自身で解決させようと思った。
そんなある日、問題が発生した。
契約した物件内の駐輪場がいっぱいでお客様の自転車が駐輪出来ないことがわかった。
引越しは明後日だ。
急いでお客様に電話する。
お客様からは
「困ります。」
予想通りのお返事を頂いた。
さて困ったことになった。
ただ、中本はまだそんなに焦っていなかった。
なぜならば、その物件の家主様と松田が仲が良いので、
松田にお願いしたら何とかしてくれるのではないかと考えていた。
早速、中本は松田に事情を説明し解決をお願いをした。
「社長、家主様にお願いしてもらえませんか?」
松田からは予想外な答えが返ってきた。
「知らん。」
2014/04/23 19:54