第4章 決意
第3話 夢
ある日の午後、松田は一人の若者と会っていた。
「社長になりたいです!」
面談室に若者の声が響く。
2004年の春
松田の元に一本の電話が入る。
電話の相手は松田のよく知る人間だ。
「一人会ってほしい人間がいるんだが
時間を作ってくれないか?」
数日後、二人の男性が松田を訪れた。
電話をしてきた男性が連れてきたのは
身長180センチは超える大きな若者だった。
しかし、
体は大きいはずだがそわそわして落ち着かない様子で
不思議と小さく見える。
面談室に移動し話を聞くとその理由がわかった。
彼は今まで建設業界に勤め、人と話をすることが苦手だという。
ただ、
自分の夢実現のために苦手を克服したいので、
部屋店で働かせてほしいと言うのだ。
面談中も若者は話すのが本当に苦手ということはよく伝わってきた。
松田は若者に聞く。
「君の夢を聞かせてもらっても良いですか?」
今まで自信無く会話をしていた若者の表情が変わる!
「社長になりたいです!」
2012/12/08 20:06