第2章 仲間
第5話 好きな事
創業から早くも4ヶ月経ち、
街はChristmasムード
1年の最後という
あの独特な雰囲気に包まれていた。
そんな雰囲気の中、
部屋店もChristmasモードという訳にはいかない。
創業から4ヶ月経っても、
考えていた程の結果が出ず、
ムズムズ ピリピリ
街なかとは正反対の空気が漂っていた。
雪も降る寒い中、
結果をとにかく残そうと
皆、汗をかき動いていた。
日々の食事は「カップヌードル。」
社長の松田も含め、贅沢なんて
とても出来るものではなかった。
会社である以上、
何かと出費もかさばり
何もかもがギリギリ、
心にも余裕はなく、
みんなの顔も少し疲れているように見える。
帰宅は日付が変わる事がある。
毎日休む事もなく働いた。
しかし、ネガティブになる者はいない。
目の前の事にとにかく一生懸命だった。
だが、その忙しさに助かっていた。
だんだん、
「こんなにやったんだ」と
自信を持てるようになってきたからだ。
余談ではあるが、
【元旦も練習をする事で有名な超一流アスリート】に
インタビュアーが
「すごく練習をされていますが大変ですね。
その力はどこからくるんですか?」
と聞いた。
すると、
「大変だと考えた事がない。
好きな事をやっているので。
質問の意味がちょっと・・・」
と返答していた。
創業メンバー6人が同じ思いだったかは分からないが、
あそこまで一生懸命だった事を考えると
聞くまでもないだろう。
創業から休みもろくに取らず年末を迎えたが
結果は一向に変わらない。
それでも、
松田はこんな事を会議で話している。
「4月には新店舗を出店しようと考えてる。
そして
3年後には3店舗1億3千万の売上を達成する」
なんとこの状況で夢や目標を語っているのだ。
全員思った。
「この人なら必ずやるだろう!と。
夢を叶えたい!
目標を達成したい!
と思う気持ちがあるから
一生懸命になれる。
なかなか好転しない状況の中でも、
モチベーションは高く保たれている。
そして、年末。
来年こそ!と思いながら、
お店の年末大掃除を全員で行った。
除夜の鐘が各地で鳴り響き、
あっという間に
2002年が終わりを告げた。
そして、
新たな年が明ける。
2011/09/04 13:59