第1章 由来
第8話 きんぱつ!?
実は、木下は
よく「独り言」をつぶやく事で知られている。
今日も木下の周りでは
独り言が絶えず聞こえてくる。
「緑色はどうじゃろ?」
「全然だめじゃ。
これじゃぁ目立たん。」
「あえての白色とか」
「シンプルすぎ!」
「青色は?」
「う~ん、なんかイメージ違うよね~」
「ピンクはないね。」
「うーん」
「赤はいいけど、なんだか【ちからさん※】みたい」
いろんな色を出し、
試みてみたが、
意外にどの色もしっくりこず、
イメージカラーはなかなか見つからない。
「他の不動産会社にもある色だからなぁ」と
木下が眉間にシワを寄せ悩んだように
貼り付けた色、それは黄色だった。
目を惹く色だった。
「今までにどこにも無かったような色が
本当は良かったんじゃけど」
と思いながらも、
どの色よりも黄色が輝き、目立ち、
幸せを感じる色であることを
木下は感じていた。
「決まり、これじゃ」と
一人、笑った。
木下は松田に連絡を取り、
「イメージカラーは黄色が一番ですね」
と伝えた。
松田は木下に言った。
「やっぱり黄色が一番人の注意をひくな。
木下君の頭のようだ。」
なんと、当時木下の髪の毛は金髪であった。
イメージカラーは黄色に決まり、
これでまた一つ「部屋店」が形になった。
※「ちからさん」とはうどんやおはぎ等で有名な飲食店です。
おいしいうどんを
いつもありがとうございます。
2011/04/14 19:51