第1章 由来
第7話 カラー!
季節も変わり、街中では
半袖姿の若者や、スーツの上着を脱いだ
サラリーマン達が増えてきていた。
社名も「部屋店」に正式決定し、
いよいよ
6人の新たな人生が始まろうとしていた。
ガタンガタンガタンガタン
電車の音が響くお店の中に木下がいた。
「暑くなってきたな~」
うちわを扇ぎながら店の外を眩しそうに
覗いていた木下は、
近くあった椅子に腰をかけた。
「よし、始めるか!」
目の前の机の上にあるパソコンに
手を伸ばし電源を入れた。
そして、
そのパソコンの中で1枚の写真を開いた。
写真には少し古い、小さな店舗の
ようなものが写っていた。
その店舗はまさに、
6人が既に本店にすることに決めていた場所。
「さ~て、何色にするかな。」
うちわを扇ぐ手をとめ、
木下は一人、口を開いた。
「色(iro)」
部屋店のイメージカラーを考えていたのだ。
本店の外観写真に色を貼り付け、
部屋店のイメージを作っていく作戦だ。
会社の名前・本店の場所が決まり、
次にイメージカラー。
この「色」が決まることで、
部屋店が更に形になってゆく。
そんなワクワクした気持ちの
木下が、そこにいた。
2011/04/08 15:57