第2章 仲間
第1話 設立
部屋店の設立に向け、
6人の個性豊かな仲間が揃った。
長かったような、短かったような、
あとは設立の手続きを行えば
会社が出来上がる段階にまで来ていた。
松田は考えていた。
「そもそも会社はどうやって創るんだ?」
当然だが若い6人は
会社など創った事はない。
手続きの方法など、もちろん誰も知らなかった。
そこで松田は会社を
どうやって創るのか一から調べ上げた。
知らないことを何でも知ろうとするのは
松田の性格である。
松田は会社設立について調べていくうちに
「あること」を初めて知る事とになった。
それは気付きそうで気付かなかった問題。
「あること」とは「お金がかかる」
ということだった。
会社を創るには、手数料として数万円かかるのであった。
6人は問題に初めてぶつかった。
特にお金をたくさん貯蓄している者がいる訳ではない。
まして、お金がかかるのは
設立の時だけではない。
お店の内装や備品購入にもお金はかかる。
まさか、会社を創るだけでお金がかかるとは。
松田は考えていた。「お金がない」と。
ある日、松田は古賀に相談をする事にした。
「キチンと資格を持った人にお願いをするべきだろうか?」
2人は考え、話し合った。
通常、
会社を創るときは、行政士など資格者に
お願いをするのが一般的である。
自分達で設立までやってみよう。
万が一無理なら、その時に
専門家にお願いをすればいい。
”自分達でやってみる”=”挑戦する”
という事だった。
ただ、もちろん誰も何も
会社設立について知っている者はいない。
松田と古賀は、まず会社の創り方の本を買うことにした。
2人は難しい言葉が並ぶ
本の内容を必死に読み尽くした。
本が手垢で汚れてしまう程に、とにかく読んだ。
そしてやっとの思いで「会社の創り方」を知った。
定款などの作成を行ない、お金も何とか集め、
遂に会社の登記をしに向かった。
古賀が書類の作成や、漏れがないかの確認を
何度も行ったお陰で、
なんと一発で登録を完了できたのである。
古賀は一人思った。
「やれば出来るもんだな」
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2002年8月19日
0から始まった会社創り。
6人は一歩ずつ進んでいき、
遂に
「有限会社 部屋店」
という会社が出来あがったのでした。
2011/05/12 19:29