第1章 由来
第2話 緊張の居酒屋
近くで一際大きな声がした。
「お待ちどうさま!」
店員が6つのグラスを持って、
冷たそうなグラスを
ドンとテーブルに置いた。
6人は居酒屋にいた。
「乾杯!」
霜で白い6つのグラスの泡が揺れる。
ビールをゴクゴクと
美味しそうに飲む松田
コーラの炭酸に眉間にしわを寄せる古賀
木下・中本・黒瀬・吹田も
みんなが天井を見上げ、
喉を鳴らしてドリンクを1口2口飲み込んだ。
松田が前回伝えた
「宿題」
について切り出す。
「しっかり考えてきてくれたか?」
5人は笑顔で「当然!」と頷き返した。
「よし!じゃぁ、皆の候補を聞かせてくれ。」
笑顔で松田が返した。
松田・古賀・木下・中本・黒瀬・吹田の
6人は皆、笑顔だった。
これから始まる会社の歴史の1歩となる
大事な社名決定!
自分の考えた社名が「会社の名前」になる。
そう思うと不思議な感情が湧き上がってくる。
当然だが、全員会社を興したことなどない。
いつも顔を合わせるメンバーだが、
何となくいつもと違う気がする。
気のせいだろうか、少し高揚した空気が漂っているのは。
その中で松田が緊張した空気を切るように言葉を発した。
「じゃぁ、始めよう!」
その一言で、皆の目が少し光った。
2011/03/01 16:55